追悼:津村俊充さん

 2022年1月20日、津村俊充さん(一般社団法人日本体験学習研究所代表理事、南山大学名誉教授、日本インタープリテーション協会フェロー)が逝去されました。謹んで哀悼の意を表しますと共に、当協会をはじめ、インタープリテーション分野に多くの教えをいただいたことに感謝申し上げます。

 つんつん(津村俊充さんの愛称、いつもこのように呼ばせていただいていました)は、人間関係トレーニングや社会心理学を専門とされ、「ラボラトリー方式の体験学習」(インタープリテーションの分野では「体験学習法」と呼んでいます)の普及に尽力されていました。この考え方はインタープリターにとっても大切にしたいものであることから、インタープリテーションに関する数多くの研修会で、楽しい実習を提供いただき、学び深い講義をしていただいてきました。

また、当協会のメンバーが多く参画し、発刊された『インタープリター・トレーニング』は、つんつんが編者をされた『人間関係トレーニング』と『ファシリテーター・トレーニング』の続編としようという構想から生まれました。発刊前には、『インタープリター・トレーニング』の編者であり、書籍化のきっかけを作った日本インタープリテーション協会会長(当時)の小林毅さんが亡くなりました。この際、つんつんから「こばさん(小林毅さんの愛称)の書籍化したいという思いを実現しよう!」という言葉をいただき、発刊に辿り着くことができました。

 さらに、インタープリターズ・フォーラム2020では、「『インタープリテーションとは』を再考する」という刺激的な話題提供を頂戴しました。お話の中で、これからのインタープリターに求められる態度として、①きく態度、②インタープリテーションをする問いかけを育てる、③内省する力、④相手の力を尊重する態度、の4つを提示いただきました。ちょうど、当協会では社会が大きく変化している現代の中で、インタープリテーションの普及や人材育成のあり方の見直しをしているところであり、つんつんのお話は非常に示唆に富んだものでした。

 つんつんは、多くの書籍やインターネット、SNS、動画教材を通しても多くのことを発信しておられ、それはお亡くなりになる直前まで続けておられました。上記フォーラムでのお話をはじめ、各種メディアを通してこの先もつんつんから多くのことを学ぶことができます。皆さん、ぜひご覧ください。

研修会では誰よりもインタープリテーションを楽しんでおられたお姿や自らが内省的実践家であり、「プロセスに学び、プロセスに生きる」ことを大切にされていたつんつんのあり方から多くのことを学ばせていただいてきました。本当にありがとうございました。

一般社団法人日本インタープリテーション協会

2022年1月25日

以下は津村俊充さん(つんつん)にインタープリターズ・フォーラム2020(2020.6.1オンライン開催)のパネルセッションでご登壇いただいた際のショートレクチャーです。